フコイダンの化学的性質について
フコイダンとは、単糖の一種であるフコースがアルファグリコシド結合により多数結合した多糖類ですが、単なる多糖類ではなくそれぞれのフコースには硫酸基がついていることが大きな特徴となっています。
硫酸とは言っても強酸の化合物とは性質が異なり、特に毒性のようなものはありませんしそもそも酸性を示すこともありません。
自然界ではコンブやワカメのような海藻類に多く含まれ、周囲のヌメリ成分の中に多く含まれることが分かっています。
多糖類ではありますがヒトは消化酵素を持ちませんのでいわゆる食物繊維となり、いろいろと健康機能を示すことが今では次々と明らかになってきています。
フコイダンには例えば大腸内で便がカチカチに固まってしまうことを防ぎ便通を良くするとか、食物中の有害物質をまとめて一緒に排泄するような働きがあります。
また、食事中に含まれる糖質や脂質が一挙に急激に吸収されることを抑制し、ゆっくりとなだらかに吸収されるようにすることで体への負担を下げるといった効果もあります。
さらには、ヒト自身は消化酵素を持たなくても腸内細菌の中には消化酵素を持つものもあり、それら善玉菌の栄養素となることで腸内の細菌バランスを整えるような働きも持っています。
この他にも肝機能を改善したり血圧を下げたりする効果もあると言われていますが、基本的には体内に吸収されませんので、実験室レベルでは効果はあっても実際にヒトでそのような効果があるのかは疑問視する向きもあります。